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いわんやブログ

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2020年 05月 26日

新型コロナウィルスの不公平性について

珍しく時事ネタ。
せっかく退職したいわんやに幽閉生活を強いる、憎きコロナについてだ。
久しぶりにエクセルでグラフ作っちまった。

こないだ「ベトナムはコロナ感染者が驚くほど少ない」って記事で書いた。ベトナムって
感染者数も少ないけど、死亡者に至っては一人もいないっていうんだからさらに驚く。
そんなこともあって、国によってどのくらい感染者数や死亡者数に違いがあるのかグラフで
比較してみる気になった。どうせホレ、時間はあるし(笑)。

感染者数や死亡者数のデータは米国ジョンズ・ホプキンス大学が毎日更新するサイトの
5月24日現在のもの。対象国は日本以外にいわんやが恣意的に30か国選んでみたけど、
結果的にはやっぱアジアと欧州が多くなった。でもアフリカや南米の国も比較のために
入れてみた。まず人口100万人あたりの感染者数比較からいってみよう。
新型コロナウィルスの不公平性について_c0393255_00344567.jpg
出所:感染者数・死亡者数等は5月24日現在のジョンズ・ホプキンス大学公開データ
   人口はWorld Population Prospects, 2019 Revisionによる(以下のグラフすべて同様)
 
なな何と。31カ国ン中じゃシンガポールが一番多いんだ。これは意外。
人口600万人もないシンガポールで感染者が日本の倍近いとこうなっちゃうのか。
シンガポール以外は上位に欧米主要国がズラリ。逆に少ない方はアジアの国がズラリ。
エジプト、ナイジェリアとかのアフリカの国も少ないね。

次に「感染した人のうち、死ぬ人の割合」。これはパーセント。
新型コロナウィルスの不公平性について_c0393255_00351537.jpg
 
うわー・・欧州は軒並み感染者の1割以上が死んどる。米国は感染者でも死者でも世界一だけど
感染者死亡率じゃ中国と大差ない。一方、人口100万人あたり感染者が多かったシンガポールは
0.1%と驚異の低さ。シンガポールの死者数って23人で、日本の808人に比べても驚くほど少ない。
「感染してもメッタに死なない」わけだよシンガポールでは。何でこんなに違うの?
(ぜんぶ5月24日現在の数字ですからね)

ことホドさように、感染者数の多い少ない、さらに感染したあと死ぬ率の高い低いには
モノすごい差がある。結果的に人口100万人あたりのコロナ死亡者数を国別に比較すると・・
新型コロナウィルスの不公平性について_c0393255_17090495.jpg
   
うーむ・・・なんという差。800人超のベルギーと0.8人のタイとじゃ1000倍(!)違う。
「コロナは人類すべての敵」って言うけど、こういうグラフ見ると、この敵は地域によって
手ごわさ加減がめちゃくちゃ違う、チョー不公平な敵だと言わざるを得ないよな。と同時に
この地域差が偶然の産物とは思えないのも確か。

「欧米と違ってアジアはキスやハグの習慣がないから軽く済んだのだ」って言われるけど
そのせいでこれだけの地域差が生じるとは信じ難いんだよなぁ。「政府の対策の差」や
「外出自粛に対するマジメ度の差」っていうのも同様で、ましてや「医療体制の差」なんて
あり得んだろ。こう言っちゃナンだが、ミャンマーやナイジェリアの医療体制が欧州よりも
はるかに充実してるなんて誰も考えない。

ではなぜこんなに地域差があるのか?シロウトなりにいろいろ想像することは可能だ。
「検査数が少ない(あるいは単に検査してない)から」説は日本が多少当てはまるのかも。
でも死者の数はそういうゴマカシが効かないという前提に立てばやっぱり地域差は依然大きい。
なお「アジア諸国が死者数をゴマカシてるから」といった陰謀説はここでは考慮しません。

地域差が生じた原因として、今のところ科学的根拠がありそうに思えるのは「赤ん坊の時の
BCG接種が効いてるから」説だ。上のグラフのどこがBCG接種国で、どこがそうでないか
正確にはわからないけど、アジアに接種してる国が多いのは確からしい。ただ、もっと
シンプルに「人種による差」ってないのかなぁ?

上のグラフを見て、「モンゴロイド(黄色人種)には有利で、コーカソイド(白人)には
不利なナニカがあるのでは?」という疑問を抱かずにいる方が難しい。おそらく世界中の
専門家も感じてるはずだけど、「人種差別」と批判されそうなんで言わないのか?

黄色人種はアルコールに弱い(正確にいうとアルデヒド脱水素酵素2の活性が白人・黒人と
差がある)とか、血液型の比率が人種間でかなり違うとか、実際そういう体質的な差が
歴然とあるわけじゃん?そういう研究は人種差別でもナンでもない。科学だ。なぜコロナの
感染や死亡にこれだけ人種的(民族的?)差があるのか、ぜひ科学的に検証してほしい。

地域的不公平を生んだ理由として、いわんやが個人的に捨てがたい仮説がひとつある。
それは結局のところ「暑いと有利」という単純な理由だ。東南アジアには4月頃が一年で最も
暑いっていう国が少なくない。タイやラオス、ミャンマーなんかはまさにそうで、これらの
国々が4月の仏教正月にやる水かけ祭りも、宗教的理由以外に「一番暑い時期に水かけてあって
キャーキャー騒ぐ」って部分も大きい(コロナがなきゃ4月に行くはずだったのに・・)。

そういう国で軒並み感染者数が少ないのを見ると、「暑いと有利なのでは?」という可能性を
捨てきれないんだよなぁ・・人口が約2億人もいて衛生状態だって優れてるとはあまり思えない
ナイジェリアも(赤道に近い国だ)感染者・死亡者とも少ないし、上のグラフに入れてないけど
いわんやが去年行ったラオスなんて感染者数がタッタ19人、死亡者数はベトナム同様ゼロ。
「暑い国は有利」って可能性を排除するのは難しいと思うんだよ。

ま、もちろんこれらはすべてシロウトの考えること。
しかしコロナという災厄の度合いが地域的におっそろしく不公平なのは確かで、そこには何か
傾向がありそうだというのも否定できない。この不公平が何に起因するのか、今後の科学的な
研究にぜひ期待したいのである。

珍しく時事ネタを取り上げたいわんやブログ。緊急事態宣言は全面解除されたとはいえ、
国内旅行すら気楽に行けるようになるのはもっと先。去年のラオス・タイネタを温存しつつ
書いていくために、旅ブログの書き手としてもいろいろ気ィ使ってるんスよ(笑)。

 


by tohoiwanya2 | 2020-05-26 00:01 | 旅行・出張あれこれ | Comments(8)
Commented by Mr.よっしい at 2020-05-26 01:02 x
はじめまして。
退職される前のブログにて、ポーランド国鉄の切符の買い方を参考にした時から楽しく見させて頂いております。

僕も全くの素人考えですが高温と あと多湿がウイルスを弱らせるというか、人間を強くするのでは?と…
ウイルスの蔓延は もはや全世界どこも同じだと思うんですが、高温多湿であれば感染はしても耐えられるというか…

ロシア等旧共産圏は…やはりBCGですかねぇ?それとも単に西側に比べて遅いだけで これからなのか…?

…と、僕も いつ旅行に行けるかな?と こんな事ばかり気にしている今日この頃です。
Commented by schnee_yuki88 at 2020-05-26 08:53
恐らくコロナには強毒性のものと、そうでないのがある(欧米のは強毒型))。暑さには弱い?シンガポールで感染者数が多いのは、その殆どが外国人労働者。‥こんなところ、かもしれないですねぇ。国内はまだしも海外へ普通に行けるようになるには、最低でも2年位かかるかなと思ってます。
Commented by tohoiwanya2 at 2020-05-26 18:01
>ポーランド国鉄の切符の買い方を参考にした時から

Mr.よっしいさん:
あ、これはどうも、コメントありがとうございます。ポーランド国鉄っていうと
私が2012年に行った旅行。あの頃世界は平和で、自由に旅行できましたよねぇ・・。
ロシアはBCG接種やってるみたいで、感染者は多いけど死亡率が低い理由も
やっぱBCGやってるから・・って疑いたくなりますねぇ。
いずれにしても、せっかく退職したんだから、早く海外渡航が自由に
できるようになって欲しいんだけど・・当面ムリでしょうねぇ・・しくしく。
Commented by tohoiwanya2 at 2020-05-26 18:06
>海外へ普通に行けるようになるには、最低でも2年位かかるかなと

yukixさん:
私は個人的に来年のオリンピック(開催されれば、ですが)がカギとにらんでる。
オリンピック開催国として、コロナのない国の選手は入国させるけど、そうじゃない国の
選手は入国拒否・・なんておそらく出来ないはずで、開催するんであれば
世界中から等しく入国させないわけにいかない。それが可能になるくらい感染が沈静化してれば
日本から海外にもだいぶ行きやすくなってるはず・・と期待してるんですが、どうでしょうね?
Commented by nassi at 2020-05-26 21:17 x
各県別の感染者数を朝刊で確認する度「岩手県、ゼロ!」を見ると何故か安堵する毎日です。同じようにベトナムやタイの感染と死者の推移にも大きな変化が無いのは「高温多湿」が寄与しているのかなあ・・・と思っていましたがイワンヤさんの分析が参考になりました。今年の11月BKKとサイゴン旅行を企画中ですが空港で2週間の足止めばかりは遠慮したい今日この頃です。
Commented by tohoiwanya2 at 2020-05-27 00:01
>空港で2週間の足止めばかりは遠慮したい今日この頃です

nassiさん:
それは私も同様で、いくら退職して時間が自由なるっていっても2週間軟禁されるのはねぇ・・。
こないだ見た報道だと、とりあえずTPP加盟国で、感染状況がそれほど
ひどくないところから往来の自由化に関する話し合いを始めようとしてるとかで、
例として挙がってたのはベトナムと豪州。でもとりあえずビジネス客が
優先されるみたいで、観光の自由化はいつになるものやら・・。
Commented by Bきゅう at 2020-05-29 02:58 x
アルコールというか、肥満や成人病と反比例というのは1つあると思う。コロナがくっつくとこが、そういうのに関した分子なのよ。あと、マスクやベール文化? 他の因子もあるでしょうが、ともあれ、死者数の少ない国は、結構徹底して対策してますよね。
Commented by tohoiwanya2 at 2020-05-29 20:13
>肥満や成人病と反比例というのは1つあると思う

Bきゅうさん:
あ〜・・・肥満か。確かにアメリカは肥満体国として有名だけど、英国なんかでも
歩くのも大儀そうな肥満体型の人けっこういたなぁ・・。肥満して成人病の人は
当然運動不足で体力も弱ってるからヤラレやすいのかも、ですねぇ。
東京は宣言解除したあとまた感染者が増える傾向にあって、がっかりっスよ。


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