2020年 08月 30日
ジャカルタ⇒バンコク移動の時は「土曜にバンコク移動、日曜は現地で観光」だった。 北京⇒マニラ移動では「土曜は北京で現地観光、日曜にマニラ移動」というパターンにした。 要するにこの時はマニラより北京の方が観光しがいのある街だと思ったわけだ。 土曜観光に関しても北京法人代表のテイさんが「案内つけよう」と言ってくれた。しかしそれって 案内役を命じられた社員はいい迷惑だ。申し訳ないし、一人の方が気楽だから丁重にお断りした。 仕事が終わった後の土曜日にどこを観光するかは密かなプランがあったのだ。どうやって行くかは よくわかってなかったんだけど、ここは一人で何とかしたかった。 【まず前門へ】 ガイドブックによると、そのプランを実行するためにはまず前門というところに行ってミニバスに 乗る・・と書いてあった。前門っていうのは天安門広場のさらに先で、そこにミニバス発着場が あるらしい。 土曜の朝、その前門ってのに歩いて行った。20分くらいかかったかなぁ。 ミニバス発着場はすぐわかった。「ドコソコ方面行きはココ」みたいなサインは一つもないけど とにかくすごい数のバンが停車し、すごい数のドライバーが行き先を大声で叫ぶ、とっても カオスなエリアがあったから、ああここが発着場だってわかったのだ。 しかしこれは恐ろしい状況だ。自分の行きたい先のミニバスを探すには、行き先を中国語で 叫ぶ客引きたちの声、すなわち音声情報だけで識別せねば。こうなるとこっちも必死だ。とりあえず 行き先の中国語読みをガイドブックで確認。「いーほーいぇん」っていうらしい。 カオスの中をオロオロ歩いてるとおばさんが「イーホーイェン!イーホーイェン!イーホーイェン!」と カン高い声で叫んでる。きっとこれだ。「いーほーいぇん?」って聞くとうなずく。ハウマッチ?って 英語で聞くと指で「7」と示す。7元。今なら100円ちょい。当時だといくらだったかは忘れた。これで 何とか「行きたいトコ行き」のミニバスには乗れたようだ。車の中は中国人ばっかりでガイジンなんて いわんや一人だけですよ。 【頤和園へ】 いーほーいぇんとは頤和園のことなのである。けっこう有名な景勝地で同じ名前の高級中国料理店も 東京にある。頤和園は北京近郊だから距離的に行きやすい。 ここはキレイな所だったよ。今回調べて驚いたけど、ここはいわんやが訪問した2年後の1998年に 世界遺産に登録されてるんだね。原型の施設は12世紀からあったらしいけど、今ある姿になったのは 19世紀の清の時代に西太后用の離宮として作られたものらしい。1996年当時の頤和園は地元中国の 観光客が7割、外国人観光客が3割くらいって感じだったけど、世界遺産になった後は外人観光客も ワンサカ押し寄せたに違いない。 大きな人口湖があり、長い橋があり、山の上には豪奢な建物。その裏にはこれまた人工的に作られた 「水辺の町」まであるから驚く。まぁ清の皇帝一族ならどんなモノでも作れたんだろうが。 中国の人から「中国行ったことある?」って聞かれると、いつも「むかしベイジン(北京)に出張した。 休みの日にはイーホーイェン行ったよ」って答えると、北京出身の人でなくてもすぐわかってくれる。ジャカルタやバンコクじゃ大したことしなかったけど、北京だけは「有名観光地に行った」という 立派な実績があるのだ。 【昔も今も嗜好変わらず】 さて帰り。行きにミニバスを降りたあたりに行くと、また大量のミニバスと大量の呼び込みがいる。 前門ってとこまで戻ればいいわけだが、ところで前門って中国語で何て言うんだろ? 「チェンメン!チェンメン!チェンメン!」と連呼してる(ように聞こえた)呼び込みがいたから たぶん前門行きだろうと思って乗った。行きと同様、車内は中国人ばっかりでガイジンはいわんや一人。 車内じゃけっこう奇異な目で見られたけど、ちゃんと無事前門まで戻ってこられた。やれやれ。 一人で行って帰ってこられるかなぁ・・と不安を抱えながらの単独観光行動、利用する交通機関では 現地人に混じってガイジンは自分一人、という状況はその後東南アジアあたりで散々経験するけど、 1996年の頤和園観光もまさにそんな感じだった。 みんなが凧揚げしてる天安門広場を通って北京飯店に戻りながら、ちょっとは達成感ありましたよ。 おそらく当時の外人観光客が頤和園行くならタクシーチャーターとか団体ツアーバスとか、もっと ラクで確実な方法で行ったんだと思う。ミニバス乗り場にガイジンなんて一人もいなかったもんね。 でもオレは地元の人に混じって、一番安い交通機関使ってちゃんと一人で観光したのだ。ふふん。 この辺の“旅の嗜好”というのは今とちっとも変わってないね(笑)。
by tohoiwanya2
| 2020-08-30 05:29
| 旅行・出張あれこれ
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