2023年 02月 10日
ウチの学校の日本語専攻クラスでは教科書「あきこ」に沿った文法授業に加え、 M6はWriting、M5はReading、M4はHearing&Speakingという目的別授業がある。 あとで聞いたら、これは日本人先生がいることによる一種の特別シフトらしい。 M6のWritingテストでは事前に課題を与え、当日に原稿用紙を与えて書かせる形式。 あらかじめ下書きしておくこともできて、テスト当日はそれを写すだけっていう生徒も けっこう多い。だから比較的平和にテストは終わる。 だがM4とM5は普通のテストだ。M4とM5の目的別授業はユキ先生が毎回いろんな日本関連の テーマでpptを作り、ユキ先生自身がしゃべって説明してるもんだから、テストもユキ先生が 作らざるを得ないのだ。どこが出るかわからず、いざ問題用紙を見て「げ」と思う、あの イヤな気分を生徒たちに味わわせる立場なわけ。 長文読解形式にしなきゃならん。長文たってタカが知れてるけど、何しろ日本人が書いた 日本語のまとまった文章。日本語専攻とはいえタイの高校2年生にすれば難しい。 前期のテストの時も「ユキせんせいのテスト、むずかしい!」と大ブーイング。 普段は仲良く冗談言い合う仲でも、テストの時のユキ先生は生徒にしてみりゃ憎むべき 悪の大魔王だ。自分としてはメいっぱい簡単な問題にしてるんだけどねぇ。 オレがこないだ作った問題に 「あつい夏(なつ)がおわってすずしく、冬(ふゆ)ほどさむくない秋(あき)は、 とてもいいきせつです」みたいな箇所があった。それに対する問題はこういうのだ。 問1.あきはどんなきせつだといっていますか? なつより( )、 ふゆほど( ) 答えは文中にモロに書かれている。でも以前も書いたようにこれを逆に考えて「タイ語の 長文を読み、タイ語の質問を理解した上で、タイ語で回答を書く」とすれば、これが生徒には どんだけ難しいか想像がつくだろう。この問題は「秋は」が文頭ではなく「コレコレな秋は」と、 文の後ろの方に置かれてるところが難しさを増してるんじゃないかな。 上の問題を含むM5後期テストを先日やったんだけど結果は平均点46.7。「ユキ先生のテストは 難しい」という悪評はますます高まる。M5には日本語が上手でキャッチフレーズとか作っちゃう 生徒たちもいて、そんな連中からは「あくまのテストだ!」まで言われるし(笑)。 そのあとやったM4のテストなんてさらに惨憺たる出来で、まだ全部採点し終わってないけど、 平均点は上記M5を大きく下回るのは確実。このテストは来週、最終出勤日の前日に返すことに なるはずだから、オレはM4生徒たちの憎悪のマナザシに送られて学校を去ることになりそう。 とにかくテスト問題作るのは毎回本当に大変だったよ。 テストではウィン先生が作った問題の時にオレが監督官だけつとめるってこともあって、 回数的にはそっちの方がずっと多かった。自分で作ったテストじゃなきゃホント気楽。 そういうテストで机間巡視してるとある生徒と目が合う。訴えかけるような視線だ。 問題用紙を見ると・・ははぁ~・・「みぎ」「ひだり」みたいな対語の日本語訳を書く時に どっちがドッチか混乱したみたいだ。LEFTは右だっけ?左だっけ?RIGHTが右?あれ?逆? みたいな状態なわけで、これは非常によくわかる。片方間違えたら自動的にもう片方も バツになるわけだから生徒にすれば切実な状況だ。 「ねぇせんせぇ、これ、どっちがどっち? これでいいんだっけ?それとも逆?」 「どれ?・・あーこれか・・(教えるわけにいかないから)うーん、どっちかなぁ~? (と、スッとぼけて首をかしげる)」 「・・・・・・・ユキせんせぇのぶゎかぁーッ!!」・・という会話を表情だけで交わすわけ。生徒と教師による火花散る無言劇(笑)。 そんな悪魔のようなユキ先生がこの学校にいられるのもあと一週間。 テストの時だけはシーンとした教室で(ふだんの授業ではすげーうるさい)机間巡視しながら、 時には生徒とそんな無言劇を演じたことがすでにもう懐かしくなっちゃってねぇ・・シンミリ。
by tohoiwanya2
| 2023-02-10 21:38
| 2022~23 タイ派遣事業
|
Comments(2)
Commented
by
reikogogogo at 2023-02-11 14:05
もう残すところ一週間なのですか?あっという間ですね!
帰国してもまたすぐ飛び出していくのが見えてる気がします。
0
Commented
by
tohoiwanya2 at 2023-02-11 22:06
>もう残すところ一週間なのですか?
reikogogogoさん: そうなんですぅ~~・・来週が最後の登校ウィーク。 再来週はバンコクに移ってJFのミーティングとか、大使館表敬訪問とか、 タイ教育省表敬訪問とか、まぁエンディングセレモニーのたぐいが何日かあって、再来週末には帰国。 ただでさえ寒い2月の日本、しかも羽田着は早朝。到着したとたん全員風邪ひきそう・・・。 |
アバウト
カレンダー
お気に入りブログ
最新のコメント
カテゴリ
全体 2019.08 ラオス・タイ旅行続き 2020.10 福岡旅行 2021.11 山陰旅行 2022~23 タイ派遣事業 2023.08 ベト・タイ旅行 2024.02 タイ旅行 海外あれこれ ボランティア さんぽ 2020 さんぽ 2021 さんぽ 2022 さんぽ 2023 さんぽ2024 むかし話 私生活 タグ
歴史
東京を歩く
タイの学校
人々
食い物
寺社
びっくり
タイ生活
風景
鉄道
日本語パートナーズ
カルチャーショック
外国語
アート
不思議
家建て替え
海外派遣
ミュージアム
建築
落語
府中を歩く
都市
黒歴史
仕事
田舎
コロナ
出張
健康・からだ
文学
祭り・フェスティバル
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||